9月中旬の土日、この日はヨーロッパ文化遺産の日。
文化的、歴史的に見て価値のある建物など普段は一般公開されない場所が無料開放され見学できるイベント日であった。
この日は、主要博物館、城、美術館などほぼすべて無料開放されるのだ。
フランスで一番人気のある場所はやっぱり
「エリゼ宮」だろう。大統領の住まいだ。
一番先頭に並んだ人には大統領とカーラ夫人から直接の挨拶もあり、にわかセレブの仲間入り?疑似体験ができるのかもしれない。
15区にあるテレビ局も負けてない。かなり長い行列が毎年できており、お土産つきスタジオ見学ができる。
さて、毎年直前に「どこが公開されます」という告知HPができるのでそこをチェックし目ぼしい場所など普段は絶対入れないところを狙っていくようにしている。
最近だと、OCDE(経済協力開発機構)の本部が家の近くにあるのでそこへ見学に行った。
このような国の重要機関なんて絶対に入れないので貴重な体験だ。
で、今年はレアな博物館へ行くことにした。
その名も「都市交通博物館」。フツーじゃん。と思うなかれ。
何がレアなのかというと、
年に2日しか開いてない博物館なのだ。
私自身、電車ヲタとか鉄道マニアではない。パリの成り立ちや歴史に興味があり、特にベルエポックと呼ばれた時代(19世紀末から第一次世界大戦前まで)の話が大好きだ。その頃の公共交通機関について書かれたものを読んで、実際に見れたらなぁ。。と思っていた。
もしかして日本の交通博物館的なものがパリにあれば行ってみたいと思って検索してみると「パリ郊外」に存在していることがわかった。
そのサイトにはたくさんの貴重な写真が掲載され、保管されている車両なども画像で確認することができるが、残念なことに「一般向けに公開されておりません」との文言。
暇なときにそのサイトを眺めていたら偶然「文化遺産の日に公開」と書かれていたのでチェック。
ここはパリから東へ30kmほど行ったところだろうか。一応住所をもとにグーグルアースで覗いてみるも、博物館らしき建物はない。見えるのは、工場らしき建物のみ。
現地に行けば看板でも出ているかも、と思いでかけた。
現地に着くと、工場だと思った建物が博物館だった。工場もしくは保管倉庫といった趣。
この日だけは特別にその昔、パリ市内を走っていた乗合馬車と乗り合いバスが駅からここまで往復していた。
(昔の雰囲気を出すためにセピア加工で掲載)
乗り合い馬車やバスのことをフランス語で「omnibus」オムニビュスと呼んでいた。
今では短編映画などを寄せ集めてひとつにまとめたものを「オムニバス」と呼ぶが、実は乗合馬車が語源である。
広々とした修理工場(?)兼保管庫に古い車体がところ狭しと並んでいる。
まずはバスゾーンから。
今現役で走っている1世代前のものから、宮崎アニメに登場しそうなボンネットバス、さらにさきほどの馬立て乗り合いバスなどが展示されている。
展示品解説パネルをみると80年、100年と経っているものもあるが、綺麗にピカピカに磨かれている。
こちらはメンテナンス中。
トゥールーズの乗り合いバス
中はこんな感じ。当時はタイヤ、サスペンションがよくないため乗り心地は決して良いとは言えなかった。
利用客数が増えてきたため2階建て乗り合いバスも作られた。
次に電車とメトロゾーン。
パリのメトロの開業は1900年。
当初は木目の車両でロマンチックだ。
実際に乗ってみる。
木の椅子なので長時間は辛い。
今のメトロも変わらず手動コック式のドアだが、昔のほうが味がある。メトロ運営会社のマークも今よりずっといい。
こちらもクラシカルな昔のメトロ。昔走っていた東急目蒲線・池上線みたい。
ちょっとしたタイムトラベラーであった。
すごいおもしろいね~。 好きな人にはたまらない世界だけど、普段そんなに鉄道関係に興味がない人でも、
返信削除昔の映画の世界を味わえる楽しい空間だよね。
年に2回の公開とは! 貴重な体験だったね。
そうそう昔の池上線、緑色だったよね~。
当時は自動改札もないから、切符を専用のハサミのような
もので、切ってもらってさ。 懐かしいわ~。。
一般の人でも、「昔の映画の世界」に入れるような、なにかノスタルジックな感じもして楽しい空間でした!一般公開向けの施設ではなく、修理スペース兼車庫というのがまた圧倒されました!
返信削除昔、池上線と目蒲線ってステンレスと緑があったよね。子供心に緑が来ると「クーラーない・・暑い!」って思ったけど、今ならその古さがかえって新鮮に思えちゃうね。駅ごとに違う形の切り込みのはさみあったよねー。パリのメトロもその昔切符切りの人が改札にいたんだよ。